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フィリピンのAAAでパイロットライセンス取得に挑戦する67歳の渡辺訓練生

67歳でパイロットライセンス取得へ。夢を追い続ける日本人訓練生の挑戦

  |   パイロット留学コラム

子どもの頃に抱いた夢を、今も覚えていますか。

仕事や生活環境、時間、年齢など、さまざまな理由から、一度は夢を諦めたり、後回しにしたりすることもあります。

現在、フィリピンのAll Asia Aviation Academy(AAA)で飛行訓練に取り組んでいる渡辺さんも、幼い頃から空への憧れを持ち続けてきた一人です。

67歳になった現在、長年抱き続けてきた「自分で空を飛びたい」という思いを実現するため、パイロットライセンスの取得に挑戦しています。

今回は、パイロットを目指したきっかけ、海外での飛行訓練を選んだ理由、実機訓練で直面した難しさ、初めてのソロフライト、そしてこれからの目標について、渡辺さん自身の経験を紹介します。

 

空に羽ばたく燕の姿

渡辺さんが空に憧れるようになった原点は、幼い頃に見た燕の姿でした。

空を自由に飛ぶ燕を見ながら、いつしか戦闘機のパイロットになることを夢見るようになったといいます。

しかし、その後近視になったことで、その夢はいったん途絶えることになりました。

それでも、空への熱意がなくなることはありませんでした。

航空関係の本を読み、フライトシミュレーターにも熱中しながら、長い間、航空の世界への関心を持ち続けてきました。

そして仕事が一段落したことをきっかけに、長年心の中にあった夢へもう一度向き合います。

「パイロットライセンスを取ろう」

そう決意し、実際の飛行訓練への一歩を踏み出しました。

 

海外での飛行訓練という選択

ライセンス取得を決めた渡辺さんは、日本だけでなく海外のフライトスクールについても調べました。

その中で、カリキュラムやサポート体制、そして飛行訓練を行う環境などを比較し、AAAで訓練を受けることを選びました。

入学後はまず学科授業と試験に取り組み、スタッフのサポートを受けながら訓練を進めていきました。

ここまでは比較的順調だったと振り返ります。

しかし、本格的な実機訓練が始まると、それまで想像していたものとは大きく違っていました。

 

「知っている」と「実際に操縦できる」は違った

航空に関する知識を学び、フライトシミュレーターにも長く親しんできた渡辺さん。

そのため、実際の航空機も比較的スムーズに操縦できるのではないかと考えていたそうです。

ところが、実機訓練が始まると、その考えは大きく変わりました。

知識として理解していることと、実際の機体の動きを感じながら操縦することは同じではありません。

教官からは、

「頭で飛んでいる」

と言われたこともあったそうです。

渡辺さんにとって特に難しかったのは、頭の中の知識だけで操作するのではなく、機体の動きを身体で感じ取りながら操縦することでした。

それまで積み重ねてきた知識があるからこそ、逆に実機との違いに戸惑うこともありました。

飛行訓練とは単に操作方法を覚えることではなく、実際の航空機と向き合いながら、少しずつ感覚や判断力を身につけていくものだと実感したといいます。

 

約40時間の訓練を経て迎えた初ソロフライト

試行錯誤を重ねながら訓練を続け、渡辺さんは約40時間の飛行訓練を経て、初めてのソロフライトを迎えました。

ソロフライトとは、教官が同乗せず、訓練生自身が航空機を操縦して飛行する、パイロット訓練における大きな節目のひとつです。

しかし、初ソロは成功の喜びだけでは終わりませんでした。

最終着陸操作を行う直前、安心したことで集中が緩み、着陸時に機体をバウンドさせてしまったといいます。

渡辺さんは、この経験を通じて、

「安心が最大の敵」

という言葉を身をもって実感しました。

訓練が一区切りついたように感じる瞬間であっても、航空機が完全に停止するまで安全への集中を切らしてはいけない。

苦い経験ではありましたが、パイロットとして学ぶ大切な教訓になりました。

 

子どもの頃に見た燕へ、少しずつ近づいていく

飛行訓練には難しさがあります。

それでも、急旋回やS字旋回などの訓練を行っていると、渡辺さんの頭には、幼い頃に憧れた燕の姿が浮かぶことがあるといいます。

長い時間を経て、かつて憧れていた「空を飛ぶ」という世界を今、まさに自分自身で経験している。

その瞬間は、夢に少しずつ近づいていることを実感できる大切な時間になっています。

初ソロのあとに待っていた、忘れられない瞬間

初ソロを終えた渡辺さんには、もうひとつ忘れられない出来事があります。

着陸時の失敗を気にしながら機体を降りた渡辺さんを待っていたのは、AAAの整備スタッフでした。

スタッフたちは初ソロを達成した渡辺さんを胴上げして祝福してくれたといいます。

「自分もこのチームの一員なのだ」

そう感じた瞬間でした。

飛行訓練というと、訓練生と教官の関係に目が向きがちです。

しかし実際の訓練環境は、教官だけで成り立っているわけではありません。

航空機を支える整備スタッフ、日々の学校生活を支える事務スタッフや食堂スタッフなど、多くの人が関わっています。

渡辺さんにとって、この出来事はライセンス取得までの道のりが、多くの人に支えられていることを改めて感じる機会になりました。

 

ライセンス取得は「ゴール」ではなく通過点

渡辺さんの挑戦は、ライセンスを取得したら終わりではありません。

本人は、ライセンス取得後には日本で飛行を続けるための手続きを行い、将来的には飛行クラブなどで飛び続けたいと考えています。

「ライセンス取得は、あくまで通過点だと思っています」

幼い頃に始まった空への憧れは、ライセンスを取得することそのものではなく、その先も自分自身で飛び続けるという新たな目標につながっています。

 

「ちなみに、私は67歳です。」

これからパイロットを目指す人に向けて、渡辺さんは自身の経験をこう振り返ります。

「パイロットになるには、お金も時間もかかり、知識や体力も必要です。それでも、もし夢を持っているなら、叶えることで得られる経験には、挑戦するだけの価値があると思います。」

そして最後に、こう続けます。

「年齢ですか?ちなみに、私は67歳です。」

年齢だけでなく、時間、環境、仕事、語学など、新しいことに挑戦するときにはさまざまな壁があります。

渡辺さんの経験は、「誰でも同じようにできる」という意味ではありません。

一人ひとり必要な条件や状況は異なります。

それでも、長年抱いてきた夢に改めて向き合い、自分自身で可能性を調べ、一歩を踏み出すことはできます。

幼い頃に見上げた燕から始まった渡辺さんの夢。

その挑戦は、今もフィリピンの空で続いています。

「いつか、どこかの空港でお会いできれば幸いです。」

AAAのパイロット訓練について

AAAでは、パイロットを目指す方の目的や訓練ステップに応じた各種コースを提供しています。
訓練内容や取得を目指せるライセンスについて詳しく知りたい方は、コース一覧をご覧ください。

 

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