日本からフィリピンへ。AAAでパイロットを目指す日本人訓練生の挑戦
パイロットになりたい。 そう思っても、「どこで訓練すればいいのか」「海外で本当に生活できるのか」「英語での訓練についていけるのか」など、最初の一歩を踏み出すまでには、さまざまな不安があります。 現在、フィリピンのAll Asia Aviation Academy(AAA)では、日本から渡航し、パイロットを目指して飛行訓練に取り組む日本人訓練生がいます。 今回は、関口大友さんと小田悠資さんに、パイロットを目指したきっかけ、なぜフィリピンでの訓練を選んだのか、現地で感じた不安や変化、AAAでの訓練生活、そして将来の目標について聞きました。 パイロットを目指したきっかけ 空に憧れるきっかけは、人それぞれです。 関口さんが飛行機に興味を持ったきっかけのひとつは、映画『ハッピーフライト』でした。 もともと両親と空港へ行く機会も多く、飛行機は幼い頃から身近な存在だったといいます。 さらに、小学校高学年の頃に掛けられた、 「一緒に飛ぶのを楽しみにしてるよ」 という言葉も、今でも心に残っているそうです。 何気ない一言だったかもしれませんが、関口さんにとっては、パイロットという夢をより具体的な目標として意識するきっかけになりました。 一方、小田さんの原点は成田空港にあります。 ジャンボジェットや航空自衛隊の機体、そして身体に響くジェットエンジンの音。 空港を訪れるたびに航空機そのものへの興味が深まり、やがて「飛行機に乗る側」ではなく、「自分で操縦する側」を目指すようになりました。 異なるきっかけから始まった二人の夢は、現在、同じフィリピンの空へとつながっています。 なぜフィリピンで飛行訓練を選んだのか パイロットを目指す道は一つではありません。 日本国内で訓練する方法もあれば、海外のフライトスクールで経験を積むという選択肢もあります。 関口さんと小田さんが選んだのは、フィリピンでの飛行訓練でした。 その理由として挙げられたのは、訓練環境や費用面に加え、日本から比較的近く、必要に応じて帰国しやすいという点です。 また、日本人が運営に関わる環境に対する安心感も、学校選びの理由のひとつだったといいます。 海外で長期間生活しながらパイロット訓練を受けることは、大きな決断です。 だからこそ、訓練内容だけでなく、生活環境や学校のサポート体制も含めて検討することが重要になります。 渡航前に感じていた不安 二人とも、フィリピンへ渡航する前から不安がなかったわけではありません。 関口さんが心配していたのは、現地での生活環境や治安でした。 小田さんは、気候や衛生面に加えて、航空英語についても不安を感じていたといいます。 海外での生活経験が少ない場合、実際の暮らしや訓練の様子を渡航前に完全にイメージすることは簡単ではありません。 しかし、実際にフィリピンで生活しながら訓練を始めることで、その印象は少しずつ変わっていきました。 関口さんは、現地での生活について、 「来てみたら問題なかった」 と振り返ります。 もちろん、生活環境や文化には日本との違いがあります。 それでも、実際に経験することで少しずつ環境に慣れ、訓練に集中できるようになっていったそうです。 AAAで感じた安心感 数あるフライトスクールの中からAAAを選んだ理由について聞くと、二人が共通して挙げたのが「安心感」でした。 日本人訓練生への理解があり、困ったときに相談しやすい環境や、スタッフの温かさが、海外で訓練を続けるうえでの支えになっているといいます。 到着した当初の印象についても、 「スタッフの印象がとても良くて安心した」 「フィリピン人の温かさに助けられている」 と話してくれました。 パイロット訓練は、決して簡単なものではありません。 Ground Schoolで航空に関する知識を学び、飛行訓練では一つひとつの操作や判断を身につけ、訓練後には復習を重ねます。 その繰り返しの中で、少しずつ経験を積み重ねていくことが、将来の安全な運航につながっていきます。 多国籍の仲間と学ぶ日常 AAAには、さまざまな国や地域からパイロットを目指す訓練生が集まっています。 海外で学ぶ魅力のひとつが、異なる文化や価値観を持つ仲間と日常的に交流できることです。 関口さんは、 「多様な価値観を持つ人たちと交流できることが大きな刺激になっている」 と話します。 小田さんも、自分から積極的に話しかければ、完璧な英語でなくても相手が理解しようとしてくれることが多いと感じているそうです。 訓練以外の時間には、ビーチへ出掛けたり、トライシクルに乗って買い物へ行ったり、寮でゆっくり過ごしたりすることもあります。 フィリピンならではの食文化にも触れており、二人は「バロット」にも挑戦したそうです。 感想を聞くと、 「味はいけます!」 と楽しそうに話してくれました。 こうした日常の経験も、海外で生活しながら学ぶからこそ得られるものです。 訓練の中でぶつかった壁 飛行訓練を続けていれば、思うようにいかない時期もあります。 関口さんは、 「一人で勉強していると行き詰まる」 と話します。 その経験を通じて、同じ目標を持つ仲間と一緒に学ぶことの大切さを実感したそうです。 一方、小田さんが現在も向き合っている課題のひとつが英語です。 「英語は大変ですが、少しずつ伝えられるようになってきました」 現在もオンラインレッスンなどを活用しながら学習を続けています。 海外へ行けば、自然にすべてができるようになるわけではありません。 飛行技術も英語も、日々の積み重ねが必要です。 だからこそ、できなかったことが少しずつできるようになっていく過程そのものが、訓練生にとって大きな成長につながっています。 二人が目指す未来 将来について聞くと、二人とも目標として挙げたのは「エアラインパイロット」です。 関口さんは、日本でのキャリアだけでなく、将来的にはEmiratesで活躍することも視野に入れているといいます。 最後に、これからパイロットを目指す人へのメッセージを聞きました。 関口さんは、自身の経験を踏まえて次のように話しています。 「日本でパイロットを目指すのは狭き門です。飛行時間を稼ぎ、経験を積むという視点では海外も魅力的です。億劫にならず一歩を踏み出しましょう。同じ夢を持った人たちが集まっています。夢を諦めず頑張ってください。」 海外でパイロットを目指すことが、すべての人にとって最適な選択肢とは限りません。 しかし、自分がどのような環境で学びたいのか、どのような経験を積みたいのかを考えたとき、海外での飛行訓練もひとつの選択肢になります。 夢を追い、海を越えて 成田空港で見上げた飛行機。 映画の中で見たコックピット。 二人の夢の始まりは違いました。 それでも今、同じフィリピンの空の下で、エアラインパイロットという目標に向かって訓練を続けています。 海外で学ぶことには、不安もあり、簡単にはいかないこともあります。 しかし、一つひとつの課題に向き合いながら操縦技術を身につけ、異なる文化や人々と出会い、自分自身の視野を広げていく。 そうした経験もまた、パイロットを目指す過程の大切な一部です。 関口さんと小田さんの挑戦は、今日もフィリピンの空で続いています。日本人訓練生・卒業生の声を見る> 関連コラム ...
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